恵まれた環境

酒は米、米糀、水というシンプルな材料でつくる。
だからこそ素材一つひとつにこだわりを持って。

01

 

菊川の仕込み水には、長良川の伏流水を使用している。
長良川は郡上市高鷲町大日ヶ岳を源泉としている全長166kmの、上流域にダムがない自然環境抜群の清流。
高知県の四万十川、静岡県の柿田川とともに日本三大清流の1つとされる。
平成13年に環境省が選定した「日本の水浴場88選」にも選出された鮎が泳ぐ美しい川だ。

02

 

酒づくりには専用の“酒米”と呼ばれる米がある。
酒造りの工程のひとつに精米という米の表面を削る作業がある。精米時、粒の小さな米は砕けてしまうこともあるため、“酒米”は食用米に比べて粒が大きい傾向にある。
米の中心には「心白」と呼ばれる部分がある。心白は、タンパク質の含有量が少なく、粘度が高く、もろみに溶けやすい性質を持っている。酒米はこの心白の占める割合が食用米と比べて大きい。ちなみに菊川は国産の酒米にこだわっている。

03

風土

 

寒さ厳しい冬。そんな季節に山から下りてくる強い滑降風を“おろし”と呼ぶ。岐阜県南西部から愛知県北西部にかけて広がる濃尾平野に、北西の方角から滋賀県の琵琶湖を経た伊吹山方面へと吹く“伊吹おろし”。
雑菌が繁殖しない清潔な環境を保つことが必要な酒造りには、低い気温が適している。
昔から“伊吹おろし”が吹き下ろす冷気に満ちた風土は、酒の仕込みには最適な土地とされてきた。
ちなみにこの時期の酒造りを“寒造り”という。